幼児教育じほうに掲載されました
2019-07-06
エッセイ
教育の課題や幼児教育の在り方、幼児教育の振興と教育内容・方法の充実に役立つよう毎月刊行されている全国国公立幼稚園・こども園長会の機関誌「幼児教育じほう 7月号」(年間購読雑誌)の心のふるさと(P27~P29)
というコーナーに、僕のエッセイが掲載されました。
タイトルは、希望ー今日を生きる活力ーです。
僕が幼稚園時代に抱えていた苦悩と周りの大人たちに望んでいることを書きました。
嫌なこともたくさんありましたが、僕は普通の幼稚園に通うことができて良かったと思っています。
つらい記憶は消えませんが、今の自分を肯定できれば、過去の自分も肯定できるのではないでしょうか。
子育てに関して言えば、僕は子どもたちに、たくさん辛い思いをさせてきました。
今でも思い出すたびに、心が苦しくなります。
今の自分を肯定できないので、当然過去の自分も肯定できません。
しかし、子どもたちは皆、素晴らしい大人になってくれました。
それはとっても嬉しいです。
嬉しいですが、きっとこの後悔の念は、ずっと続いていくでしょうし、忘れてもいけないような気がしています。
河上昌樹さんへ
後悔の気持ちを持ち続ける自分も肯定できればいいのではないでしょうか。
東田直樹
私は、息子が小学生に上がるまでは、子育てに苦労は全くありませんでした。本当に辛い時期は、直樹さんの言葉が私を支えてくれましたし、それからは、大変理解のある先生方に支えられていたからです。息子も、本当に可愛がられ、何不自由なくのびのびと楽しく過ごさせていただきました。感謝しかありません。
しかし、理解のある先生方を見つける過程は、並大抵の苦労ではありませんでした。障害と言うコトバだけで差別を受け、心が折れそうになったことは何度も何度もありました。
私は、今でも息子の園の園長が、初めて電話をかけた時に仰ってくださった「うちの園は色んな子がいますよ。色んな子がいて良いんですよ。是非いらっしゃい。」と言って下さった言葉が忘れられません。
息子のクラスには、すでにダウン症のお子さんもいましたが、息子も含め二十三人分け隔てなく、その子の個性を尊重してくれました。今でも色んなことに挑戦してみよう、楽しんでみようという、息子の前向きな精神は、この時期に養われた土台があるからのように思います。
障害児に、幼児期のインクルーシブ教育は必要だと思います。理解のある先生方がたくさん増えると良いなと思います。
あきこさんへ
先生方というより、障害児をどのような場所で育てるかは、社会の問題かもしれません。
東田直樹
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