白い花
2019-07-08
エッセイ
白いお花が咲きました
なんて可愛らしい
このお花は 誰の物?
みんなのものに決まってる
白いお花が咲きました
すごく綺麗
ああ いいなあ
みんなが欲しがるのは当たり前
白いお花を手に入れたら
どこに飾ろう
窓辺がいいかな
机の上がいいよ
やっぱりテーブルの真ん中だね
頭の中で想像して みんなは楽しみます
それから 1か月
白いお花は枯れました
寿命が終わったのです
白いお花を見る人は もう誰もいませんでした
白いお花は土に還ります
「今まで ありがとう」
そう声をかけたのは 神様だけでした
直樹さん、こんにちは。
お散歩中。
先日まであんなに鮮やかに咲いていた紫陽花も、今は色褪せてひっそり咲いています。
今年もありがとう。
心の中で呟いてみました。
Rinさんへ
植物の命は、はかなく、永遠ですね。
東田直樹
直樹さん、質問させてください。
直樹さんの作品は、直樹さん自身の毎日の心を表わしているのですか?それとも、日々の経験や感じたことなどを集めておいて、架空の人のお話として作られているのでしょうか?
直樹さんの作品は、時に目まぐるしく変化していくので、もし架空の人のお話だったら、感想も違っていたのかなと、ふと想像したのです。
あきこさんへ
僕の文章は、作品としてつくっていますが、中には日々思うことを書いた詩やエッセイもあります。
東田直樹
傷だらけの猫
あなたはいつも
何と戦っているの
過去のあなた
今のあなた
未来のあなた
もうあなたには敵はいないのよ
あなたが私を好きでも
あなたが私を嫌いでも
どちらでも
あたしはかまわない
あなたが爪を立てても
あたしは何も感じない
わたしはただ
あなたの喜ぶ姿が好きなだけ
あなたが傷つくのが見たくないだけ
あなたには
きっとわからないでしょう
きっとわからないままでしょう
匿名さんへ
何と戦っているのかわからないのが人間だと思います。
東田直樹
そうして、命をまっとうしたことに
白いお花は安堵と誇りを持って枯れて
次の命の栄養になるために
土へと還っていったのです
また新しい白いお花が生まれるね
さちほさんへ
その通りですね。
東田直樹
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